再生可能エネルギーの普及は、二酸化炭素排出の削減、エネルギーの自給率の向上と新産業の創出にも繋がる。 ただし、太陽光発電や風力発電を代表とする再生可能エネルギーを大規模導入することで、その発電量の安定に必要な蓄電設備の設置によるコスト増加及び送電網の管理に負荷かかる課題がある。 そのために、需要と供給のバランスを調整するなどの系統安定策として、スマートグリッドが注目されることになった。 スマートグリッド(次世代送電網)とは、ITを活用して電力の流れを供給側・需要側の両方から制御し、再生可能エネルギーを含んだ電力網全体の需給の効率化と最適化を行うシステムである。
本研究は、スマートグリッドの需給のバランスを制御することを目的とし,需要側の消費電力制御について研究する。特に家庭においてその使用エネルギーの約半分は冷暖房・給湯が占めるため、 ヒートポンプ機器の動特性の理論解析および実験測定を行い,ヒートポンプの能力制御性を表すモデルを確立し、家庭におけるデマンドレスポンスの応答性を解明し、最適制御による省エネ効果を検証する。